あお

ASKAさんの生き方とつづる言葉が好きな会社員がテーマもなくひたすら日常を残すだけの日記

“私の時計が壊れていたようで…”

こんなかっこいいセリフを言うひとがおるんや(笑)

今日は、日本に来て3年になる実習生の技能検定に立ち会った。

大工の技能検定。

事前に課題が渡されるんだけど、この課題を見た社長さんたちは、みんな同じことを口にするの。

「は?これを3年しかやったことのない子にさせると?受からす気ないやろ?職人10年ぐらいの日本人がやって受かるかどうかよ」

技能実習生が受かることはほんっとに珍しいレベルだって。

 

受かったんだよ!!

 

f:id:sorakaisei:20241009212255j:image

 

一見、ただの材木を鍵で打ち付けてるだけやんて思うよね。

とんでもない!

木を組むっていうのかな。繊細で正確さが求められる作業。

しかも、実践では見たこともないひと昔前の道具を使わされての試験。

制限時間は3時間。

検定員2人。1人は同じ大工業界から選ばれた方、もう1人は職業能力開発の職員。

私語厳禁。

実習生、社長、検定員2人、私。

実習生を見守る我らは誰1人座らなかった。あの雰囲気は座れなかったよ。

残り時間20分。

私が見る限り、8割ぐらいのとこまで来てるかなって感じ。逆に残り20分で完成させるのは誰がどう見ても無理だった。

打ち切りの時間が来た途端、検定員が空を見上げながら工場の外に出て行った。残る私たちはその行動が意味するものを悟ったよ。

結果、25分ほどオーバーしてたけど最後までさせてくれた。

その後、細かく採点が行われてパーフェクトな仕上がりだってめちゃくちゃ褒められてた。

日本人でも途中で投げ出したり、釘を抜いては打ち直しやら採寸間違え、計算ミスやらで受からないっていうのに。

検定員の方が言ってた。

「時間が迫ってきてる中で最後の最後まで精一杯できるところまでやりきろうという気持ちがこちら側にビンビンに伝わってきたので、ストップなんて声はかけられないですよ」って。

「なんか今日は時計の調子が悪くてですね、、私の時計が壊れていたようで。問題ないですよ」そう言ってくれたんだよ(T ^ T)

やべぇ、好きになると思ったww

どれだけ社長がつきっきりで練習をさせたのかってことは誰でも分かる。当日の朝も検定は9:30からだったけど早めに着いた私は工場が見える近くのコンビニに車を停めたの。すでに練習してたもんね。朝の7:50だよ。

“この場で合格不合格をお伝えできませんが、すぐにでも賞状を渡したい気持ちですよ”そう言った検定員の言葉の意味を理解した実習生が、

「社長の指導のおかげです。社長ありがとうございました」って満面の笑顔で社長に言うんよ。 

 

この仕事に就いて感じること。

人種の前に1人の人間なんだって。笑顔は世界共通。社長が実習生を大切に扱っている企業の子達はみんな純粋な笑顔を見せてくれる。実習生の態度や雰囲気を見ると社長やその会社の雰囲気がよくわかる。

心温まる時間に立ち会えてよかった。